自律神経とは?
はじめに
よくテレビや本でも自律神経が乱れている、自律神経失調症などのワードを良く耳にすると思いますが一言で自律神経と言いますが詳しくは分からないという方もいらっしゃると思いますので分かりやすく説明していきます。
1.神経
自律神経を理解するには、まずは神経が何かを大まかに知っていただくといいと思いますので簡単に説明していきます。
神経は大きく分けると中枢神経と末梢神経があります。中枢神経はいわば脳や脊髄で全部の神経の司令塔のような役割をしています。末梢神経は中枢神経から枝分かれして身体の隅々まで張り巡らされている神経の総称です。
2.自律神経の役割
自律神経を大まかに説明すると文字通り自律している神経の総称です。人間の意思に関係なく神経そのものが自律して働いている神経の事です。
少し理解しづらいと思うので例えると心臓は自分の意思に関係なく絶えず動いてますよね???もちろん心臓が止まると人間は死んでしまいますので絶対に止まってはいけない臓器です。なので、自分の意思に関係なく絶えず神経が心臓に『動け』と命令を出しているんです。
その連携をうまくできる様に人間は神経の中でも自律神経が機能する様になっていますこのように自律神経神経は自分の無意識で行なっている体の機能を上手く働くように頑張ってくれてます。もちろん内臓機だけでなく呼吸や反射的な動き、体温調節なども自律神経が担っています。
上で説明したように自律神経は自分の意思にかかわらず働かなければならない機能を担っている神経と理解してください。
3.交感神経と副交感神経
自律神経は大きく分けて2つに分類されます。
交感神経
交換神経は英語でfight and flight〈闘争と逃走の神経〉と呼ばれる事もあり、激しい運動を行なっている時に活性化する神経です。人間は日中に活発に働いている時は交感神経が優位に立って働いてます。
副交感神経
副交感神経は交感神経と対称となっている神経で、心身を鎮静状態に導く神経です。人間は休息をとる時に交感神経よりも副交感神経が優位になっていないと充分な休息が取れないようになっています。
4.良質な睡眠
ここまでは自律神経の大まかな説明をさせていただきました。ここから、不眠との関わりについて説明していきたいと思います。
まず、不眠を理解するためには良質な睡眠がどのようなものかを知る必要があります。
・睡眠時間
理想的な睡眠の時間は7時間〜8時間の間だと言われています。7時間より下回る生活が続くと睡眠不足に陥る可能性があります。逆に8時間以上寝ると過度に睡眠を取りすぎて体がだるくなったりする症状がでてきますスッキリと体に負担のない睡眠時間は約7時間と覚えておきましょう。
・時間帯
睡眠するにあたって重要な時間帯があります。それは、「22時〜2時」の間です。この時間に人間は成長ホルモンがたくさん分泌されるようになっています。この時間にたくさんのホルモンが分泌され体の代謝や調子を整えるのに1番最適な時間になります。なのでなるべく「22時〜2時」に睡眠時間を取る事でより良い睡眠が取ることができます
・睡眠の質
睡眠時間や時間帯は大事ですが1番大切なのは「質」です。質とは眠りの深さです。寝てから起きなければならない時間までに1回も目が覚めない人は深い睡眠の可能性が高いです。
逆に1回でも起きる人や、夢をよく見る人は眠りが浅い状態です。※但しトイレで起きる場合はカウントしません。
仕事との関係や子育ての関係で睡眠時間が確保できない方や、夜勤があって22時〜2時の間に寝るのが無理な方は沢山いらしゃっると思いますが、回数の他にも、物音や人の気配に敏感すぎてすぐ目がさめる人、寝付くまでに10分〜15分以上かかる人は質の悪い睡眠に括られます。
睡眠の質の悪さ=不眠といってもいいくらい大事なポイントです。
5.不眠と自律神経の関係性
自律神経や睡眠の理解しておいてもらいたい事をいくつか説明しましたので、今からは本題である不眠と自律神経の関係性について話していきたいと思います。
まず、基本的に睡眠がないと人間は身体が機能しません。人間は睡眠の中で身体を回復させています。なので、不眠に陥ると様々な不具合がでてきます。
何故、寝れなくなるのか???
これが分からないと不眠解消もに繋がりません。多くの不眠症の原因は自律神経が関わってきます。では、自律神経がどの様に関わっているかというと、上記で示したように自律神経は2種類あります。交感神経は興奮を司り副交感神経はリラックスを司る神経です。
人間は睡眠している時に1番リラックスをしなければなりません。寝ようとした時に「交感神経が優位に働いている状態」から「副交感神経が優位に働いている状態」に自然とシフトチェンジしていく事で体が休息をしっかり取れるようになり睡眠中にその日に溜まった疲れ、精神的なストレス、体の歪みなどを回復していきます。
寝ようとした時に副交感神経が優位に働かなければ交感神経優位のままなので中々寝付けなかったり寝れても睡眠が浅くすぐに目が覚めたり、朝起きても熟睡した感じがなく疲れが残ったままになってしまい不眠に陥ってしまいます。
6.何故、自律神経が乱れるのか
では何故、自律神経が乱れてしまうのか?
自律神経は日常の様々なストレスから乱れていきます。そのストレスは様々です。
精神的ストレス(精神的きつい時)
肉体的ストレス(体がきつい時)
環境的ストレス(外気温、暑いところから急に涼しい所に入るなど)
科学的ストレス(添加物や薬などからくる負担)
一言でストレスと言っても体にかかるストレスは様々な種類があります。決して精神的なストレスだけが自律神経に悪影響を及ぼすわけではないのです。
例えば、仕事のプレッシャーなどで精神的にストレスが加わると常に緊張している状態になります。常に緊張状態になると人間は自然と身体が力みます。筋肉までもが緊張状態になり交感神経がより優位に働くようになり副交感神経が上手く働かなくくなってしまい不眠になってしまいます。
他にも、あまり知られてない要因ですが姿勢からも自律神経は大きく乱れていきます。交感神経は別名(闘争と逃走の神経)と呼ばれていると説明しましたが、イメージしてもらうと分かるのですが人間は闘う時や逃げる時の姿勢は自然と前傾姿勢になりますよね。
腰が反ってたり猫背が強かったりすると重心が前に行き前傾姿勢になってしまいます。前傾姿勢になるという事はつま先に重心ががかかります。要するに常にヒールを履いているような状態です。
ヒールを履いたことのある女性は分かると思いますがヒールを1日履くと筋肉はパンパンに張りますよね。筋肉が張ると体は緊張状態になり交換神経が常に必要以上に働いてしまいます。
このように姿勢が悪いだけで自律神経を大きく乱す原因になるのです。
7.不眠を解消する自宅でのケア
自律神経の乱れで不眠になられてる方は沢山います。寝たくても寝れないのはキツイですよね。でも、仕事も忙しく、やらなければならない事も山程ある中で家で出来るケアは無いかなと思う方もいらしゃると思うので誰でも出来る自宅ケアをご紹介して行きたいと思います。
①睡眠時間の確保
よく、睡眠時間はさほど関係は無く大事なのは熟睡度と言われてますが純粋に睡眠時間が足りてないのが原因の不眠もありますし、熟睡できてない人もまずは時間を確保する事は大事ですので約7時間ほど睡眠時間を確保できる方は確保しましょう。
②何時に寝るか
これも①と一緒に先程話しましたが22時から2時の間がホルモンが1番分泌されて体力回復、機能回復しやすい時間なのでこの時間帯に寝るように心がけてみましょう。
③爪揉み
手の足、指の足、両方とも共通している事で意外かもしれませんが自律神経は指の先まで張り巡らされています。五本の指があって「薬指は交感神経」で「薬指以外の4本の指には副交感神経」が多く張り巡らされている指になります。
この副交感神経が多く張り巡らされている4本の指を使った簡単な自律神経ケアです。
爪もみケアの方法
・親指、人差し指、中指、小指に行います。
・爪と指の境目の横のラインをグッグッと揉んでいきます。
・痛気持ちいぐらいの強さで一本20回を左右の4本の指を揉みます。
・この流れを1セットとします。
注:薬指は交感神経の指になるので間違って揉まないようにしましょう。
このケアは副交感神経に直接働きかけるので仕事中などにするとリラックスしすぎてしまい仕事がはかどらなくなる恐れがあるので自宅に帰り着いてから寝るまでの間になるべく多くのセット数をこなしましょう。
④お風呂
皆さん、毎日お風呂には入ると思いますがその中で湯船にゆっくり浸かっている人は意外少ないかもしれません。湯船に浸かる事は血流促進、筋肉緩んだりと効果があるのですが、副交感神経が優位に働く効果もあります。なので積極的に日々、湯船に浸かるように心がけましょう。
お風呂でのケア方法
・38度から40度ぐらいの温度。暑すぎると逆効果になります。
・なるべく20分以上入りましょう。
※湯船に浸かりながら爪もみを行うと相乗効果が期待できますので爪もみも合わせて行なっていきましょう。
注:普段、湯船に浸からない人が行うと脱水症状になる恐れもありますので「ミネラルウォーター」を持ち込む事をお勧めします。
⑤腹式呼吸
呼吸は自律神経が支配している行為なのですが、呼吸は基本的には自律神経支配なんですが、自分の意思でも呼吸を止めたり呼吸の深さなどをコントロールできる少し特殊な作りになっています。それを利用して自律神経のケアをしていきましょう。
呼吸は「吸う」「吐く」に分かれます。「吸う」行為は交感神経支配 「吐く」行為は副交感神経支配になります。なので、腹式呼吸のように長い時間息を吐くと副交感神経が優位に働いているという事です。
寝る前の腹式呼吸
・寝る前に仰向けの状態で鼻から息を吸って口から吐いていきます。
・鼻から吸い込む時はお腹と胸を広げるように。
・口から吐く時にお腹をへこましながら出来る限り長い時間をかけて吐いていきましょう。
これを1セットとして最低も5セットしていきましょう。
最後に
今回は自律神経の乱れと睡眠がどのような関係にあるかを紹介しました。自律神経の乱れからの不眠に悩まされている方は非常に多いです。
1日眠れないだけでもきついのに、毎日眠れないのは本当に辛いことだと思います。ぐっすり眠れるよう自宅ケアに取り組んでみてください。